友人が描いた、其の中華拉麺店店主の正体はリトルグレイそっくりだった、頭部が平たい事を除いて・・・。へんなイラストだったが、妙なリアリティもあった。
 そして、さっきの少女が一瞬見せた顔、・・・あの思い出の似顔絵イラストを彷彿させるものだった。

 そんな風に私のパジェロミニは、少女が居た小川の辺りを走り過ぎた。だが、バックミラーで確認すると少女の姿は無かった。

 そのまま私はクレーターのある南山の山頂ゾーンへ向かった。
 このゾーンでは、あの歴史的日本八十年代後期バブル経済期間に大規模年金保養施設建設の為の山地造成が成され、当時流行ったハコもの建設が施工された。
 それらの半分以上が今は廃墟となっている。

 その原因はメテオ・インパクト。つまり隕石落下が南山の向う側で起きたから。
 この隕石はさほど大きいものではなかったが、宇宙からの落下の衝撃で直径二五〇メートルのクレーターを形成するには充分だった。
 そんな事があったことも私はイタリア生活の中で忘れてしまっていた。
 記憶が、ほんとうだったかどうか確認しに来たのだ。

 山頂辺りに着くと、そこには廃墟になったキャンプ施設がまだ壊されずに古びたまま残っていた。その向こうに、クレーターがあったはずだ。

 あった。

 しかし、三十年という時を超え、それは湖となっていた。

 だが、しかし私はふと思った。これは本当にクレーターだったのか?
 もともと湖ではなかったのか?

 宇宙から落下した隕石が直径ニ五〇メートルのクレーターを造った、なんてそもそも誰が言い出した?
 あの日のクラスメートらじゃなかったか?

 新聞記事じゃなかったと思う。

 確かな情報だったのか?

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