ブラックウッドは小さな町。
 小さな世界。
 エレメンタリースクールに通っていた頃、私は此のブラックウッドの外の事は殆ど何も知らなかった・・・。
 町は四方を山が囲んでいる。ブラックウッドに入るには西山のトンネルから入境することになる。西山を貫通するように造られたトンネルは異様な外観をしていた。トンネルの周囲は東南アジアのジャングルを凌ぐ密林に被われていたし、其の地盤は南米ギアナ高地よろしく巨大な岩々の連なりだったのだ。トンネルが無かった時代には落武者が西山を越えてゆくヴァニシングポイントでさえあった。
 第二次世界大戦後、GHQ(アメリカ合衆国との戦争で敗戦した日本を一九四五年より七年間占領した米軍暫定政府機構)の指導によって、この西山のトンネルは造られたと聞く。エレメンタリースクール時代の私にとっては『西山トンネル』の向うの世界は想像上の場所であった。
 トンネルの向うは外部{GAIBU}、・・・その情報はブラックウッドのキッズワールド(子供らのバイオスフィア活動圏)では完全に遮断されていたのだ、二軒のブックショップと一軒のサウンド(レコード)ショップを除いては。

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