October 2020

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 私は問う。
「この町ブラックウッドで何かが起きているのか?」

「正確に言えば、何かが起きつづけている。」
 ギャルソンKDG三船はそう答えた。

 そのとき、上空を軍用ヘリが横切った。
 VAD,VAD,VAD,VAD,VAD・・・・・、静けさを裂く轟音。
 ギャルソンは言う。「あれだよ。軍隊が関わっている。」
 私は聞く。「軍隊・・・。自衛隊か?」

 ギャルソンは空を見上げて言う。
「アメリカ軍だよ。今のはアメリカ軍のヘリだ。今の方向だとY川の下流の方、・・・トラッカー集荷場辺りの広場に着陸したな。ものものしいぞ・・・。おそらく、SCPと関係がある。」

「SCP?」

「SCPとは。自然法則に反した存在・物品・場所・現象をSCPオブジェクトとしてファイリングする動きさ。特別収容(スペシャルコンテインメント)プロトコル・ナンバリングで、多くの国際組織がファイリング競争を激化していると云われる。」

 SCP情報を多く保有する事が、今世紀の国の威信に関わるとさえ考える政治家・研究者らが居るという。一九五二年に米国ウエストバージニア州{FLATWOODS}に飛来したとされる『UFOと宇宙人のロボット』は、そのひとつとして、あまりに有名だ。

 ギャルソンは言う。
「Y川に沿って行ってみよう。途中、工事中で車両通行出来ない場所がある。だが、歩きで行ける距離だ。そうはかからない。」

 Y川に沿って歩いていくと『キャットピープル』のような猫一族の棲息区に入った。

 一人の女性が、猫に{RØDE}マイクロフォンみたいなものを差し出していた。


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 彼は頷いた。
 ギャルソンKDG三船、・・・私が10歳の頃のクラスメートだった。

 或る日、彼は別の国へと引っ越して行った・・・。

 私は彼に言う。
「たしか、君はフランス系アメリカ人だったよね。君との思い出は、よく一緒に登校したことだ・・・。君のママは、朝、僕が君を迎えに行ったとき、寒い日にはいつも僕にホット・ミロをつくってくれた。」

 ギャルソンは答える。
「ああ、そうだったよね。だけど、うちの家族は、あの年の終りに密かに海外へ引っ越した。お別れ会とかする時間も無かったね・・・。今は話せるけど、僕の父はアメリカ連邦警察FBIのアジア支部に居たんだよ。それで、ああいう形になった。」

 私は聞く。
「それで、・・・・・君は戻って来たのか?」

 ギャルソンは言う。
「そうだ。この町は変わってるからね。アーティストの僕には合うんだ。今は永住権を取ってツリーハウスに住んでいる。」

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 此のキャスルヒルには聖母マリアが出現したという地元の伝承もある。
 聖母マリアは世界のいろいろなところに出現している記録があるが、それは至福の出来事である。

 ブラックウッドは不思議な町だ。

 あの通り過ぎた川縁の少女は誰なのか、・・・私はあの場所へ戻る。

 其処にはアート・インスタレーションが在った。
 声が後方から聞こえた。
 「りんたろう君・・・。君は、水木りんたろう君か?」

 私の名を知る人物が居るとは・・・。一体誰なのか?
 私はふり返り、彼を見た。ライスボールのような頭は、私に彼の事をすぐに分からせた。
 「君は、あの・・・?」彼のフルネームが珍しかったから、・・・私はかえって無意識に其れをハッキリ記憶していたようだ。
 「ギャルソンKDG三船君。」

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